2014年6月

6月30日

 

『しあわせ日和』二日目。無事終了。それにしても、パフォーマンス後の観客席との対話の充実は本当にうらやましく、楽しい。自分の上演の時もそうだったが、終わったばかりの舞台を肴に、演者と観客が真剣に語り合う。舞台がはねたら飲み屋に直行ではなく。

 

 

6月29日

 

ダンス01『しあわせ日和』初日。昨日満員だった『破格』に引きつづき観客の入りもよく、アフタートークもいつもの通り充実した内容。終わって劇場主催の宴席に向かう途中、昨日、今日観劇の老婦人に声をかけられる。伝統舞踊出身の彼女の的確な作品把握と批評眼。

 

 

6月28日

 

黒テントの創設仲間、斎藤晴彦逝去。73歳。朝、東京より連絡を受け、茫然自失。村さん、福原、元さんに引きつづき、自分にとっての黒テントの終焉間近を実感。その時期に、北京の若い演劇人たちが、黒テントの35年に熱心に耳を傾けてくれる出会いの偶然に感謝。

 

 

6月27日

 

ダンス01『破格』初日。学芸大学表コミ二期生武田幹也の海外デビュー。若い人たちが中心の観客席からの熱い視線を前に、エナジーあふれる上演が実現した。アフタートークの内容、質問への幹也くんの応答も良かった。終わって、北京外の都市で活動しているワークショップ参加者三人にインタビュー。

 

 

6月26日

 

上演最終日。アフタートークも含めて、三夜、内容の異なる充実した内容を実現できた。上演前に、ワークショップ振り返りを二時間。他でもないいまというこの時、中国各地から集まってくれたさまざまな立場の演劇人たちの深い交流が実現できた。深夜の打ち上げ、飯名さん、三日間の記録映像と音響を駆使するDJに変身。

 

 

6月25日

 

上演二日目。午前中は、一昨日到着した啓子率いるダンス01チームの稽古場へ。『しあわせ日和』の前半を通す。劇場に戻り、部分稽古。二日目の舞台は、当然のことながら初日とは違った味わい。客席にダンス01チームの照明の斎藤、音響の勝見の顔があり、オペレーター室でひとり冷汗。

 

 

6月24日

 

照明シュートのため九時前劇場着。劇場スタッフ孫君はカフェのカウンター要員、照明、音響管理とテクニカル、本番進行のステージマネージャーと観客誘導、場内整理をひとりで、高水準で笑顔をたやさずこなしていく。最終通し稽古。一時間後、初日開幕。生き生きとした舞台。アフタートークも盛り上がり一時間超え。

 

 

6月23日

 

初日前日、長い一日だったが、出演者たちそれぞれに何か確信のようなものの芽生えか見て取れるのがうれしい。昨夜は完徹と思われる飯名さんの映像も予想を超えた見事な仕上がり。照明担当のぼくとあわせて、映像もまた70分の完全即興。マッピングソフト「イサドラ」を使いこなす頼もしい協働者に感謝。

 

 

6月22日

 

劇場入り。半日かけて、上演後半部分のスケッチを終える。参加者同士の信頼感が深まるにつれて、舞台上の自由度が高まる。何気なく見える即興のどれもが、実パフォーマーひとりひとりの理解力、構成力のたまもの。作品とは関係のないトラブルの対処にも、全員がクレバーな冷静さで応援してくれたのが今日の収穫。

 

 

6月21日

 

劇場入り前日。何さん、孫さんの協力の下、後半ふた場面づくりに一日かけてじっくりと取り組む。作品創造の最終過程、まとめを焦ってこれまでの積み重ねを見失わないように、参加者全員とコミュニケーションがいままで以上に求められる。言語の壁が取り払われて、お互いの意志が通じあう「至福」の時が目の前に。

 

 

6月20日

 

あと二日で劇場入り。稽古場は慌てず、騒がず坦々と進行。昨夜遅く、ホテルで隣室の飯名さんから映像プランがメールで届いた。丁度、全体の構成をまとめていたところだったので、ありがたいタイミング。いつもの通り、もうひとりの演出者としての飯名さんらしいクレバーな視点が加わった。

 

 

6月19日

 

今日は稽古開始前から、昨日「駅①」を振りあてたペアが早出して自主稽古にはげんでいた。テキスト「駅」は、作品中五組ほどのペアでリピートする構想だが、ここへきてことに女性陣からの売り込みが活発。今日は、孫さん、何さん、ぼくとの三チームにわかれての個別作業。最後にショーケースでシェアー。

 

 

6月18日

 

協力演出のひとり孫くんが、このあとの香港行きのビザ申請で不在だったため、もうひとりの協力演出何さんのエチュードを基本にしたイントロダクションと、三年前からぼくが定番にしているテキスト「駅」とをつなげて、冒頭から全体の五分の一ほどまで、一気にデッサンが進む。
6月17日

 

第二セッション二日目。何さん、孫さん二グループに分かれて、それぞれ昨日のショーケースのブラシュアップ。午後からの発表を見て、全体構成の見取り図が出来た。ワークショップ後、演出家ふたりとの打ち合わせの結果、予定を一日早めて、明日から作品づくりの第三セッションに入ることに。

 

 

6月16日

 

今日からワークショップは第二セッション。今回、共同演出で参加する北京の何さん、天津の孫さんがファシリテート。ふたりとも三十代になったばかりの、気鋭の若手演出家。今日で最終日の飯名さんの映像ワークショップとあわせて、毎回、レベルの高い参加者たちのショーケースがうれしい。

 

 

6月15日

 

昼間、23日から合流するダンス01チームの上演劇場を下見。ふだんは映画館ということで心配していたが、照明、音響、楽屋など最低限の劇場仕様を確認してひと安心。夕方からの飯名さんワークショップは参加者も要領をつかんで快調。内容記録とともに感想メモをせっせと書き溜める。

 

 

6月14日

 

午後六時から飯名尚人さんの映像ワークショップ第一日。他人のワークショップワをじっくり観察する久しぶりの機会。アイスブレーク、コミュニケーション、体ならしをかねた導入部分の構成がとてもうまく出来ていた。終わって、交流基金現地メンバーともども40歳を迎えた飯名さんの誕生日食事会。

 

 

6月13日

 

第一セッション最終日。事前に参加者に書いてもらったテキスト(5月21日の記録)と絵地図による即興劇。三班それぞれ、昨日の途中経過から飛躍した仕上がり。ゆっくりじ時間をかけたエバリエーション。夜、蓬蒿劇場で参加者のひとり、天津の孫さんの作品『群衆』を観劇。本日より映飯名尚人さん参加。

 

 

6月12日

 

ワークショップ三日目。中央に目を閉じたリスナーを配したボイスパフォーマンス、初日の他己紹介でそれぞれが書いた絵地図の合成、いずれも参加者がとても楽しんでくれている様子が嬉しい。終わって、参加者のひとりリュウ君と一緒に彼が通っている漢方医のところでマッサージと鍼。爽快。

 

 

6月11日

 

ワークショップ二日目。今回最初の即興によるショーケース。参加者ひとりひとりの個性が際立ち、見応えのあるものに。滑り出しはよっし。午後のセッションで、参加者が事前に提出していたテキストを確認。さて、材料がいいと料理が難しい。本日より、演劇評論家高橋宏幸さん合流。

 

 

6月10日

 

北京ワークショップ第一日。啓子のダンス01のプロジェクトでは何度かあるが、自分ひとりでの海外での作品づくりWSははじめての経験。共同演出のふたり(孫さん、何さん)をふくめて、参加者15人。去年も同様、参加者の旺盛な好奇心と吸収力に支えられて、初日のcommunicationWSはなんとか無事終了。

 

 

6月9日

 

北京到着。宿舎で荷ほどきのあと、招聘元の蓬蒿劇場へ。昨日から二日間開催中の平田オリザさんのワークショップを覗き見。フェスティバルスタッフとの簡単な打ち合わせのあと、ホテルへ戻り、中庭でエドワード・ボンドと一時間。想像通りの皮肉な穏やかさにあふれた人柄に触れる。

 

 

6月8日

 

『リア』東京上演千穐楽。心配していた入場者数も、毎日ほぼ満席の盛況を維持し、とりあえず劇場レパートリーとしての面目をはたせた。このあと、高松へのはじめての旅公演に同行できないのが心残り。そろそろ年齢不相応の過密日程を、本格的に整理しなおす時期にある。

 

 

6月7日

 

とりあえず平熱。しかし心身ともに通常の半分ほどの働き。世間とは薄皮一枚へだてられているような、頼りない感覚。ま、これはこれで嫌いではないけれどね。のそりのそのそと劇場に出かけて、『リア』千穐楽の舞台を観劇。舞台の活気に望外のエナジーをもらう。床屋へ行き頭を丸め、さて、明日は北京。

 

 

6月7日

 

熱、ひかず。明後日からの北京行きに備え、休養日とする。半日、床のなかでうつらうつら。風邪の神を説き伏せて、夕方、高田馬場のスペース早稲田。流山児☆事務所『阿部定の犬』初日へ。若い俳優たちの声によって伝えられるかつての自分の言葉に感慨多々。キャスト、スタッフ全員に無心の拍手を。

 

 

6月6日

 

風邪の神、突如、降臨。「無茶していると知らないぞ」との警告と受け止め、今日の予定を半分削り、自宅謹慎。来週月曜日からの北京行きがちょっと心配。夕方、歯医者の帰りにかかりつけの医院に寄り、薬の処方をもらう。夜、明日発送する北京行きの荷造り。いつもと違う大汗をかく。今夜は早寝だ。

 

6月5日

 

『リア』ソワレを観劇。上演を通して、舞台上の血の循環が日々自由闊達に変化し、作品全体がいい意味でのモンスターとして息づきはじめている。相互信頼(お互いへの率直なリスペクト)の上に成り立つアンサンブルの妙味といっていい。自分の手を離れて、のびやかに巣立っていく舞台を見るのは、演出者にとって、なににもまさる贈り物なのだ。

 

 

 

6月4日

 

子ども企画について、区の教育委員会(済美教育センター)との打ち合わせ。毎年九月に実施している、区内の公立小学校四年生(一校だけ五年生)全員招待企画。テレーサ・ルドビコ演出の『旅とあいつとお姫さま』六年目、ぼくの『ふたごの星』は四年目を迎える。区のサポート体制もすっきりと定着。

 

6月3日

 

午前の便で帰京。ダンス01に直行し、『しあわせ日和』稽古。今年10月の東京での再演を前に、六月末に北京での上演が待ち受けている。通し稽古のあと、舞台監督の森下紀彦さんが、あたらしくつくった、アルミフレームの移動用セットを搬入。オサフネ鉄工さんのいつもながらの仕事ぶりに感謝。

 

 

6月2日

 

昨日、座・高円寺のマチネ終演後、久留米市に移動。終日、ミーティング。終わって、午後六時過ぎから、あたらしく出来る施設「久留米シティプラザ」の市民サポーター会議。冒頭の挨拶で、昨年度一年間つづけてきたファシリテーター役を市民自身に引き継ぐ。この集まりからすべてがはじまる。はじまって欲しい。

 

 

6月1日

 

『リア』、二日目。開演前、三人の出演者に二、三提案後、客席後方で観劇。今日も入りは上々。まだまだ定着していない劇場レパートーとしての再演に奮闘した、制作担当和泉さんの努力のたまもの。舞台上の出演者たちは、お互いの微妙な変化を丁寧に受け止めながら、今日も生き生きとはずんでいた。