2014年7月

7月31日

 

定期検診。三カ月に一度、血液検査その他と主治医の問診。現在の病院とはまずまず相性がよく、主治医の応対もそれなりに丁寧。朝九時からひたすら待ち続け、終了は午後一時。病院前の薬局でドサリと薬を購入して劇場へ。『ふたごの星』プレ稽古最終日。

 

 

7月30日

 

『ふたごの星』プレ稽古。なんだろう、アカデミーⅣ期生の修了上演からはじまった今年の稽古場と上演、『リア』『中国の一日 駅』(北京)『ピン・ポン』『歴年』とつづけてきて、これまでとは違った「なるほど」という感覚がある。歳をとるのも面白い。

 

 

7月29日

 

所用のため、地下鉄を乗り継いで都心へ。日比谷公園の深い緑が夏の陽射しに鮮やか。皇居を見下ろす部屋で会合二時間。昼食のあと、早稲田の演劇博物館へ。開催中の『ベケット展』を、最終日、八月三日を前に滑り込みで見学。

 

 

7月28日

 

今日から新しい舞台二作品のプレ稽古が始まる。八月末にサントリーホールで上演するシュトックハウゼン作曲のシアターピース『歴年』と、九月一日初日の『ふたごの星』再演。まったく毛色の違う稽古場に共通するのは、方法論としての即興の力。

 

 

7月27日

 

『ピン・ポン』伊丹アイホール上演。今年の劇場上演を無事に終える。とりわけ一回目の上演は、客席の子どもたちとともに理想的な劇場空間が実現出来て、『ピン・ポン』五年間の成果をうれしく確認した。客席に、子連れの関西の劇作家の顔、多数。

 

 

 

7月26日

 

『ピン・ポン』上演のため、伊丹アイホールへ。久しぶりの関西。それがきっかけというわけでもないのだが、来年はアイホールを拠点に、自分がかかわる面白くなりそうな企画が二本。仕込みと場面修正の稽古を終え、今夜の宿舎尼崎のホテルへ。

 

 

 

7月25日

 

猛暑の東京。今日も朝から参宮橋へ。十和田湖美術館館長藤浩志さんとともに、「出会いのフォーラム」の基調講演対談をつとめる。打ち合わせなし、ぶっつけ本番の対話は、二時間ところどころ迷走したが、思いのたけはかなり率直に話せたように思う。

 

 

7月24日

 

朝、参宮橋の国立オリンピック記念青少年総合センター。今年から実行委員長をつとめる「子どもと舞台芸術-出会いのフォーラム2014」、開会パーティに出席。準備期間の一年間、何度かのミーティングで勝手なお喋りをつづけてきた。さて。

 

 

 

7月23日

 

座・高円寺。劇場をテーマにした研究会と、秋の鴎座上演のリーフレットの打ち合わせ。デザイナーの太田さんにラフなイメージを伝える。そのままの勢いで、FBの鴎座ドメインを更新。夏から秋へ。このまま気を抜かず、もう少し走りつづけないと。

 

 

 

7月22日

 

自宅のデスクにへばりついて、原稿書き、八月末に上演するシュトックハウゼン『歴年』の下調べ、十月末の鴎座上演の制作準備、その他いろいろ。途中、近頃不調の奥歯の治療に近所の歯医者にも。長かったような短かったような一日の終わり。

 

 

 

7月21日

 

北京からうれしい便り。六月のワークショップで使ったト書きだけの台本、拙作『駅』をベースに、参加していた若い俳優ふたりが四十五分ほどのパフォーマンスを立ち上げて、他の参加者たちが関係する各地の小劇場ツアーを企画。よっし!!!

 

 

7月20日

 

PCラジオのジャズを聞きながら、たまっていた領収書整理。四月末からの分を一枚ずつ出納帳に記録してノートに貼り付けながら、ここ三カ月ほどの自分の行動の軌跡をたどり直す。中国元の円換算などもあり、ふむ、よく動いたなと、独りごちる。

 

 

 

7月19日

 

今日から四日間は自宅作業。とりあえず北京行き以来ごたごたと整理のついていない机まわりの片づけから。若い頃からの悪癖で、いったん片づけモードにで入るとブレーキがきかない。前から気になっていたPC周辺の小物その他、結局、終日作業。

 

 

 

7月18日

 

朝、会議。去年一年間の座・高円寺の活動について報告する。昨日、一昨日の北海道と九州のホール計画についての相談と考え合わせながら、あらためて座・高円寺立ち上げの日々を思い出す。人間の巡り合わせの面白さ、不思議さ。

 

 

7月17日

 

早朝から打ち合わせ。昼食は、最近二回つづけて振られている近所の坦々麺店。今日は十分ほどの待ちで無事ありつき満足。さてもうひと仕事というところへ、東京からメール。明日、午前中の会議の確認。えっ! 急遽、最終便で帰京。

 

 

7月16日

 

朝、座・高円寺で打ち合わせ。今日は東京も青空。気分がいい。午後、アカデミーⅤ期生演出ゼミの発表を見る。感想を求められ、ちょっと辛口の長口舌。演技ゼミでの「余裕」とくらべて、演出ゼミでのこの「むき」さ丸出しに自分で苦笑。夜、最終便で久留米へ。

 

 

 

7月15日

 

周囲三百六十度の広大な視界と青空。この季節の北海道はほんとうに気持ちがいい。雪に閉ざされた半年を体験したせいか、ことさらこのおおらかな自然と鮮やかな色彩感が印象的。午前、午後、打ち合わせのあと、ふたたび二時間のドライブで旭川空港へ。

 

 

 

7月14日

 

旭川へ。空港に迎えの市役所車で名寄までドライブ二時間。助手席に座り、ただひたすら、可能な限り遠方へ視線をむけて北海道ならではの風景を満喫する。どこまでも真っ直ぐな道と直角の曲がり角。ときおり出会う川の流れの自在な曲線が新鮮。

 

 

7月13日

 

今日が最終日の『ピン・ポン』上演。昨日と今日、五年間つづけてきた作品が確実に階段を一段登った感じ。きそれにつれて客席の子どもたち、大人たちの応答も深まった。終演後、tupera tuperaのふたりも、「ちょっと感動しました」ととても嬉しそう。

 

 

7月12日

 

『ピン・ポン』二日目。土曜日のせいか当日券の売れ行きもよく、同時開催の古本市、阿波おどりホールのリフレクション(デンマーク)『さよならマフィンさん』ともども、お客さんで賑わう。明日で四カ月の長い研修を終え、帰国するベトナム青年劇場の一行も総見。

 

 

7月11日

 

『ピン・ポン』初日。客席がちょっと寂しかったが、終演後「今年も来ました!」と、お子さんの手を引いた若いお母さんから笑顔で声をかけられ、劇場レパートリー定着への確信と元気を取り戻す。夜、交流基金でベトナム研修生帰国前のシンポと交流パーティ。

 

 

7月10日

 

『ピン・ポン』舞台稽古。座・高円寺1の空間に、のびのびとした遊び場がひろがる。正方形の中規模ブラックボックスという実験スペースならではの個性と劇場らしい風格とが育ってきた。夜、四月に時をともにしたベトナム研修チームとのミーティング。

 

 

7月9日

 

三週間の北京滞在中印象的だったのは、町行く人びとの表情の明るさ、小さな飲食店でしばしば出会った愛想のいい笑い顔と親切なふるまい、そして毎日使っていたバスで、ほとんど毎日、席を譲ってもらえたこと。ひるがえって東京では……

 

 

7月8日

 

朝、『ピン・ポン』伊丹アイホール上演の記者発表。こじんまりとした集いだったが、アイホールのディレクター岩崎正裕さんに促されて、座・高円寺の子どもとの事業について思いのたけをいろいろ。とんぼ返りで東京に戻り、『ピン・ポン』劇場稽古。

 

 

 

7月7日

 

『ピン・ポン』通し稽古、八月のサントリー音楽財団企画の顔合わせを終えて、夜、大阪へ。深夜、ホテル近くの喫茶店で名物コーヒーぜんざいを飲みながら、関西の劇作家林慎一郎さん、メイシアターお宮本理絵さんと七夕密談を二時間。

 

 

7月6日

 

『ピン・ポン』稽古。四年連続上演のレパートリーを、出演者、スタッフ、共同演出の亀山、中山コンビ(ツペラツペラ)とともに楽しみながら仕上げる。全体の流れとあわせて、細部への丁寧な目配り。沖縄での試作から数えれば7年越しの作業がようやく完成形に。

 

 

 

7月5日

 

昨日から『ピン・ポン』稽古場。三日間の思い出し稽古を終えた出演者に、あらためて全体の起伏、テンポ感の緩急などを提案。共同演出兼美術担当のツペラツペラからも的確なアドバイス。出演者の反応も良く、順調に通し稽古を終える。

 

 

7月4日

 

アカデミーⅤ期生演劇ゼミ発表会。四時の発表前につなぎと明かりの点け消しなど、最終リハーサル。どの発表も、昨日のサジェスチョンを的確に取り入れて、とりあえず他者に手渡す「かたち」は整った。あと半年、『戦争戯曲集』に向けての助走スタート。

 

7月3日

 

朝、晴さん告別式。友人代表の佐伯隆幸の弔辞をしみじみと聞く。ひと言で言えば、思い残すことのない時をともに過ごしたかけがえのない仲間のひとり。掛け声と拍手で出棺を見送り、劇場に戻る。アカデミーⅤ期生演劇ゼミ、発表前のリハーサル。

 

 

7月2日

 

昼から座・高円寺。アカデミーの授業のあと、斎藤晴彦の通夜へ。かつて晴さんが所属していた「発見の会」が本拠地にしていた、信濃町の千日谷会堂。黒テント卒業生をはじめ、懐かしい顔多数と出会う。故人の引き合わせには違いないが、胸が痛い。

 

 

7月1日

 

帰国日。空港到着前に、去年も立ち寄った餃子屋でアルコール抜きの打ち上げランチ。二つのテーブルに次々に運び込まれる多彩な詰め物の餃子の山を堪能。ダンス01の上演ともども、今回の北京行きは大げさに言えば運命的な三週間。感謝。