演出note

note1

21歳の劇場デビューから現在まで、出会い、手がけてきた50作を越える海外戯曲をあらためて振り返り、いくつかの言葉を拾い上げてつづり合わせた舞台作品は、この数年間、おりにふれてあたためつづけてきた構想です。今回、昨年6月の座・高円寺芸術監督退任を期に、敬愛する櫻間金記さん(金春流)をはじめ、信頼する出演者とスタッフとともに、鴎座としては久しぶりの中劇場公演として実現のはこびとなりました。
拾い上げた言葉ひとつひとつの色あせない鮮度への驚きを大切にしながら、回顧ではなく、「コンニチ、タダイマ」の舞台を目指します。

 


『演劇島』 構成・演出:佐藤 信

 

note2

怒りがある。だから語る。脈絡は乱れても、怒りは怒りのままに言葉にする。
60年間の劇場での営みを通して、いつでも自分の怒りにこそ正直でいたいと思いつづけてきた。
怒りを語る。正義は語らない。
倫理的な意味でも、社会的意味でも、怒りを安易に正義とは結びつけない。
劇場はいつも不逞の観客とともにある。